名古屋で骨格矯正とパーソナルトレーニングをおこなっている女性専門スタイル矯正サロン「Style Design Salon Hiro Hattori」のスタイルデザイナーヒロ服部です。
オムライスと同じくらい一般化した「骨盤矯正」という言葉。
今では整体院サロンに限らず、接骨院、フィットネスクラブ、トレーニングジム、エステサロンとどこでも気軽に受けることができるようになりました。
一言でオムライスと言っても一流ホテルのオムライスもあれば、昔ながらの喫茶店のオムライス、インスタントなオムライスとお店によって提供されるものは様々。
これと同じで骨盤矯正も場所によって提供されるサービスや取り組みは様々です。
未だにある種の魔法のように伝えられることの多い骨盤矯正ですが、スタイルと骨盤矯正のつながりについてスタイルデザイナーの視点から書いていこうと思います。
目次
骨盤の基礎知識
女性の骨盤はおわん型、男性の骨盤は筒型
男性に横に広がったタレ尻が少ないのは、骨盤のカタチのおかげです。
女性の骨盤は、関節面が男性と比べ滑らかなことや構造(元々のカタチ)のせいで、男性と比べ問題が起こりやすいのです。
女性の骨盤はおわん型で、男性の骨盤は筒型をしています。
骨盤の一生
生まれたばかりの赤ちゃんの仙腸関節(骨盤の関節)は滑らかでツルンとしています。
10代で関節面が粗くなり可動域がグンと減り、30~40代でやっと解剖の本に載っているような関節が出来上がります。
運動習慣によって変わりますが、50代頃から靭帯の一部が骨化が始まり高齢になるにつれ仙腸関節の関節面の運動性はなくなっていきます。
骨盤がひらくってどういうこと?
クライアントさんに「骨盤がひらくっていうけど、どこがひらくと思う?」を尋ねると九分九厘の方が【1】の骨盤の前側がひらくと答えます。
実際にひらくのはお尻側【2】。※骨盤の下の方(坐骨)が側が開きます。
産後の骨盤矯正でお手軽な骨盤ベルトがありますが、しめる位置を間違えると骨盤の関節を不安定にしてしまいます。
つけるのであればお尻の横の出っ張りの部分(【2】の部分)につけましょう。骨盤の前側をしめようとして上の方につけすぎると骨盤をひらく方向に力を加えてしまいます。
骨盤の歪みと脚の長さ
骨盤の歪みを脚の長さの違いで表現する整体の先生もいますが、6ミリ以内の脚の長さの違いは気にすることはありません。
僕の脚の長さも数ミリ違いますが体調も姿勢も問題ありません。
脚の長さの違いは姿勢や歩き姿とは関わりがありません。
骨盤の靭帯
ここまでの説明だとまるで骨盤の関節(仙腸関節)がダイナミックにひらいたりしまったりするように感じさせてしまったかもしれませんが、実際のところは仙腸関節にはビッシリ靭帯がまとわりついているためほぼ動きません。
動いているように感じることができるのは股関節と腰の関節の可動域があるからです。
これまで2000人以上の女性の骨盤を触ってきましたが、骨盤自体がひらいたりしまったりする現象は見たことがありません。
骨盤矯正について
骨盤の本来の仕事
骨盤の仕事はそのアーチ構造を使って上半身の重さを脚へ、足から床反力を背骨へうまく伝えるということです。筋バランスが崩れたり骨盤の位置がスライドしてしまうことでその仕事がうまく行えなくなります。
その一番の理由は骨盤のうなずきという運動が失われ、仙腸関節が不安定になるからです。
正常なうなずき運動を取り戻し骨盤を安定させ、骨盤周囲の筋肉と股関節、腰椎の矯正で骨盤の問題は解決できます。
じゃあ骨盤矯正ってどこを矯正しているの?
基本的にスタイルデザインサロンでは、骨盤の関節に動きをつけることよりも骨盤本来の仕事ができるよう安定させることをゴールにして矯正を行います。骨盤をしめるように矯正することではなくスライドしてしまった骨盤の位置を修正することと骨盤の傾きを整えることが必要です。
骨盤の関節(仙腸関節や恥骨結合)を直接矯正をすることもありますが、ある一定の条件が揃った時のみです。※割愛
骨盤矯正の本当のところ
ヒップアップやウエストシェイプが目的なら骨盤の矯正はあまり必要ではありません。
股関節と腰椎を矯正することでヒップライン、ウエストラインは変わります。
整体師が教えてくれない本当のことを書いてしまうと、骨盤矯正はスタイルと関わりがないということです。
そして何回骨盤矯正を受けても、股関節と関わりが深い足関節を矯正しないとその効果は続きません。
骨盤の歪みを矯正しても、上方と下方から骨盤にかかる力のベクトルを変えないことにはほとんど意味がないのです。
これを逆から考えると、体幹と足関節、膝関節、股関節のアライメントを整えて、脚が本来の仕事を取り戻すことができれば自然と骨盤は本来の形に戻すことができるのです。
まとめ
- 女性の骨盤の方が歪みやすい
- 骨盤は坐骨側がひらく
- 「ひらく」「しめる」と言うけどそもそもそんなにひらかない
- 骨盤にはひらいたりとじたりではなく、上方と下方から加わる力を伝えるという大切な役割がある
- 骨盤の位置を修正することと骨盤の傾きを整えることが必要
- ヒップアップやウエストシェイプが目的なら骨盤自体の矯正はあまり必要ではない
- 何回骨盤矯正を受けても、股関節と関わりが深い足関節を矯正しないとその効果は続きしない
以上、女性のスタイルデザインに取り組むスタイルデザイナーの視点から考えてみました。
骨盤矯正を考えている女性の方に参考にしていただけると幸いです。