年齢とともに、股関節が硬くなった気がする。
歩幅が狭くなった。
お尻の形が変わってきた。
そんな悩みから、股関節まわりのストレッチや運動を始める方はたくさんいます。
ストレッチをして柔らかくなる人もいれば、ほとんど変化しない人がいたり
運動をして動きやすくなる人もいれば、逆につまり感が強くなってしまう人がいます。
単純に筋肉の硬さや筋力から影響を受けていることもありますが、それだけでは説明できないケースのほうが多いです。
今回の研究会は、「股関節」をテーマにして、この違いはどこから来るのか・その人に合った組み立て方について学びを深めました。

股関節は、一人ひとり違う
顔や身長が一人ひとり違うように、股関節にもそれぞれ個性があります。
例えば、
- 大腿骨の傾きである頚体角
- 大腿骨がどれくらい前方へねじれているかを表す前捻角
- 寛骨臼の深さや大腿骨頭との組み合わせ
股関節の形には、このような個人差があります。



個性が違えば、得意な動きも変わる
股関節の形が違えば、動きやすい方向も変わります。
- 大腿骨前捻が大きい人 → 内旋可動域が大きくなりやすく、外旋可動域は小さくなる傾向
- 前捻が小さい人 → 外旋しやすく、内旋は苦手になりやすい傾向
同じ「あぐらがかけない」という悩みでも、
- 筋肉が制限をかけている場合
- 股関節の個性が影響する場合
- 脊柱や骨盤の動きが影響する場合
と、原因はさまざま。
可動域だけではなく、その人の骨格の特徴も合わせて考えることができるとアプローチの幅が広がります。
日常生活の動きも、評価のヒントになる
日常生活の動きから股関節を評価する方法も考えました。
「あぐらがかけない」
股関節の屈曲・外転・外旋が必要。
内転筋群や殿筋群の柔軟性だけではなく、大腿骨前捻が大きいことで外旋しにくくなっている可能性も考えます。
「しゃがむと股関節がつまる」
腸腰筋や大腿直筋などの軟部組織だけではなく、関節唇や大腿骨寛骨臼インピンジメント、大腿骨前捻が小さいことによる内旋可動域の低下なども確認する必要があります。
「車の乗り降りで股関節の前が痛い」
腸腰筋や縫工筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋など、脚を持ち上げる筋群の影響も考えます。
同じ股関節でも、困っている動きが違えば、股関節をみる視点も変わるのです。
股関節の整理整頓
研究会では、以下の要素まで含めて整理しました。
- 可動域
- 左右差
- 最終域の感覚
- 骨盤の代償
- 痛み
- 骨形態
痛みの場所だけではなく、
- 自動運動で痛いのか
- 他動運動で痛いのか
- 抵抗をかけた時に痛いのか
- 片脚立位や歩行ではどのような代償が起きているのか
一つひとつの情報を組み合わせることで、初めて「その人の股関節」が見えてきます。
必要な情報を整理し、身体全体を一つにつなげて考えることが大切だと思っています。

股関節へのアプローチ
<関節へのアプローチ>
股関節屈曲位での骨頭の後下方転がり
股関節のポンプ
後方の関節包 リリースとART
<PMテストで骨盤が動かない>
肋骨から腸骨をはなすART
腹斜筋
腰方形筋
<鼠径部の疼痛>
縫工筋(ASIS付近)
大腿四頭筋
腸骨筋
<大転子の疼痛>
仙結節靭帯
梨状筋
大腿二頭筋長頭と外側広筋の滑走性
半腱様筋と大腿二頭筋長頭の滑走性
<外側の疼痛>
股関節の外側おうぎを開く(大腿筋膜張筋)
中殿筋・小殿筋
<ファーバーテストで疼痛(恥骨)>
恥骨筋
短内転筋
大内転筋と半腱様筋の滑走性
まとめ
今回の研究会では、「その人らしい股関節を理解する」という視点から評価について整理しました。
股関節には、一人ひとり違う骨格があり、違う動きがあり、違う身体の使い方があります。
だからこそ、一つの評価方法や一つの施術だけを当てはめるのではなく、その人だけの「個性」をみて、アプローチしましょうという研究会でした。

